前のめりに生きる。一歩踏み出せば決してコケはしない。

生きるって大変、でも、だからこそ素晴らしい!

第78歩 だってそれしか知らないのだから

 
拝啓
親愛なる紳士淑女くそ野郎のみなさま。
大変ご無沙汰しております。
僕です。
 
久しぶりの登場ともあれば、何かめでたい報告や前向きなトピックスが目白押しでもいいと思うのだけど、悲しいかなそんなものはない。
変わったことといえば、ちょっと見た目がブタ野郎に成り下がったのと、生活場所が部屋から洗濯機のなかに変わったことくらいだろうか。
 

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テッテレー
 
それはさておき、そんな僕の2階の部屋から隣の倉庫へと伸びる電線の間に、
一匹のクモが巣を張り巡らせて健気に生きているのだけど、僕は毎朝、こいつを眺めながら窓を開けてタバコを吸うわけだ。
こうも毎日顔を合わしているのだから、やはり少しばかり親近感というか愛着が湧いてきて、たまにこいつに届くようにタバコの煙を大げさに吐いていじわるしてみたり、あるいはシャボン玉を買ってきて泡攻撃を喰らわせたりして、そんな具合によろしくやってきた。いい歳こいて何やってんだよあんたはと、クモはまったくあきれて僕の相手をしてくれないのだけど、そんなことは慣れっこだ。
 
そうして一昨日、例の超大型なんて物騒な台風のやつがやってきた。僕の家のまわりでも、停電したり瓦が飛んだり、ハクビシンが道を転がってたりして、超大型だなんて少年マンガチックな言い回しをするだけのことはあると、一人感心したものだ。
 
あくる日、いつも通り窓を開けると、夜の嵐が嘘のように晴れ渡る空があって、
僕はこの窓で切り取られた小さな世界で、タバコに火をつけて煙を吐く。
煙は遮られることなく、まだ少し強く吹く風にさらわれて朝靄に消えていく。
つまり例のクモの巣は、一縷たりとも残ってはいなかったのだ。
 
ああ、あいつもとうとういなくなってしまったかと、妙に感傷に浸りながら、かといって命の儚さについて月並みの言葉しか思い浮かばず、僕はため息混じりの煙を吐きながら、朝からどうにも落ち込んだように思えた。
 
するとどうだろう。
クモは、向こうの倉庫の角から、再び巣を張ろうともがいていた。
一瞬にして蹴散らされた巣の再生を、彼は嘆くことも、狼狽えることもせず。
もう始めていたのだ。
こんなちっぽけなクモですら、自分のやるべきことをしっかり分かっている。
大きく張り巡らせた巣で獲物を待ちかまえ、そして生きていくのだ。
 
つまり、もうお分かりだろうが、僕がこのブログを怠っていたあいだに学んだことは、
人妻の誘惑には簡単にのってはいけないということだ。
 
そんな下衆な話はさておいて、とにかく僕は、生きてます。
季節の変わり目、みなさまお風邪などひかれませぬよう。
何か面白いことがありましたら、いつでもどこでも呼んでください。