前のめりに生きる。一歩踏み出せば決してコケはしない。

生きるって大変、でも、だからこそ素晴らしい!

第29歩 ごめんだらけの思い出なんてまっぴらごめんだ

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ごめんなさい。
カップ焼きそばさんごめんなさい。
お湯を注ぎにかかったにも関わらず、途中でお湯が切れてしまい、為す術なく中途半端にふやけていくあなたを、僕はただ茫然と立ち竦んで見つめることしかできなかった。
今日は本当に、ごめんなさい。
すぐにお湯捨てて救出し、再度たっぷりのお湯沸かしてチャレンジすればまだ救えたかしれない。まいったねと一言、ぽつりと言って終わらしてしまって本当にごめん。
 
ごめんなさい。
ホクロから懸命に生えてきた右手首の産毛さんごめんなさい。
ほかの産毛と比べ物にならないほど濃いあなたを、僕は放っておくことができず抜いてしまった。なぜあなたはそこまで自分を主張し産毛らしく在ろうとしないのか。なぜわざわざホクロから生えてくるいばらの道を選んだのか。
今日は本当に、ごめんなさい。
おそらく、これからも長い付き合いになるだろう。君はめげずに何度も何度でも生えてくるだろう。駆逐してやる。本当にごめん。
 
 
ごめんなさい。
今日の午前中、この酷暑のなかに荷物を届けに来てくれたヤマト運輸の青年、ごめんなさい。どうしても眠くて、ベッドから起き出せないうえに、誰かと会話するのがアホほど邪魔くさかった。僕が日時指定して自ら今日という日を選んだにも関わらず、僕は自分がかわいかった。インターフォンに出ないどころか、しつこくピンポン鳴らすあなたに対し、「しつけーな出直せタコ」と心のなかで悪態をついてしまいました、
今日は本当に、ごめんなさい。
昼にもう一度来てくれたとき、「朝も来てくれたんだよね、ごめんね。暑い中ご苦労さま」
くらい言ってもよかったよね。
インターフォンに出たときも、玄関の扉開けたときも、サインお願いしますと言われたときも、
 
「うい」
 
しか言ってないよね。本当にごめん。
 
 
ごめんなさい。
地元の中学の同級生で、ゼロ戦が大好きなちょっと頭の弱いいじられキャラのHくんごめんなさい。
「実家帰って来とん?クワガタ獲り行かん?」
って、せっかくの遊びのお誘いメールくれたのに、「一人で行けよバカ」って返しちゃってごめん。
この歳になってクワガタ獲りに行く誘いをしてくる君が本当に大好きです。
大好きなんだけど、二度と誘わないでくれるかな。
本当にごめん。
 
 
ごめんばかりの人生なんてまっぴらごめんだ
 
 
一日中、家に引きこもると、なぜかとても悪いことをしている気分になる。
小学生の頃、仮病で学校を休み、母親が学校に連絡入れているときはウキウキなのだが、いざ両親が働きに出かけて家で一人になり、教育テレビのさわやか3組ストレッチマンあたりの鉄板番組を観終わる頃に、とてつもない罪悪感に苛まれるのと同じ感覚。
 
3年ほど前、やんごとなき理由で、海にほど近いとある旅館に1週間ほど滞在していたときがあった。ラスト3日間は、本当に一歩も部屋から出ない状態で、風呂すら入っていなかった。
部屋のなかはタバコの煙で充満し、ほぼ寝てない状態が続いていた。
そんな姿を見て、最終日、旅館の女将さんがとびっきりの料理を部屋に持ってきてくれ、激励してくれた。涙がでるほどおいしかったし、いつでも好きなときお入りなさいと、普段は夜9時までの大浴場を24時間沸かしたままにしてくれた。
おまけに帰り際、旅館の近くに住む居酒屋を営むおばちゃんが、新鮮な魚を発泡スチロールに入れて届けてくれ、持って帰りなさいと持たせてくれた。
これにも本当に感激し、心の底からお礼を言った。
 
ただ、僕は相当に疲弊していた。
風呂には入ったものの、ひげは伸び放題だし、ひどい有り様だったと思う。
それこそまさに死んだ魚の目をしていたのではないか。
お世話になった方々にお礼を言って、僕は、砂浜に座り、海を見つめ、少し考えた。
 
 
 
この魚どーすりゃいいんだ
 
 
 
これから数時間かけて電車で1度東京に入らなきゃならない。
東京に着く頃は帰宅ラッシュの真っ只中、どの方向行くにもまあ混むだろう。
魚抱えて乗れねーだろ。まいった。
僕はまったく働かない頭で、よーく考えた。
やたら「新鮮だからね!」と8万回くらいアピールしてきたおばちゃんの言葉が頭の中をぐるぐると回る。そうか、新鮮か、新鮮なのか。
 
 
 
うん、海に帰してやろう。
 
 
 
ww。まいったね。いやもうほんと。
今思うと本当にバカみたいな非常識な話だが、本気で思ったもんね。
新鮮だから生き返るっしょって。ww
精神状態ふつうじゃなかったもんね。
 
そっと海に帰してやったあの日の魚は、今頃元気に大海原を駆け回っていることだろう。海に放った瞬間は少し緊張していたようで、ぴくりとも動かなかったが、まあ気のせいだろう。
 
 
 
おばちゃん本当にごめんなさい。
 
 
 
ごめんばかりの人生なんてまっぴらごめんだが、ごめんと思わなきゃいけないことがたくさんあるのは確かだ。
そんな人たちに謝るだけじゃなく、あのときはありがとうと言って笑える人に、私はなりたい。決して貝にはなりたくない。
 
 
 
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